犬の肥満は実は人間以上に深刻なものなのです。
犬は自分から、「最近ちょっと太っちゃったわ…」とは言いませんよね。
毎日一緒にいる飼い主さんが気付いてあげなければいけません。
そもそも犬の肥満とは、人間と同様に脂肪によって体重が増加し、個々の適正体重よりも15%以上体重が増加した状態であれば肥満の可能性があります。
多くの犬は、約1歳で成犬になり、その後骨格が成長することはまずないでしょう。
つまり、成犬になった時の体重を基準に、その後の体重変化を観察することで、肥満に気付くことができます。
犬の肥満は病気や寿命に大きな影響が!
犬の肥満は、人間の肥満以上に健康や寿命に大きな影響を与えてしまいます。
ある論文では、大型犬で肥満の犬と肥満ではない犬の寿命は約2年違うという発表があります。
たった2年と思ってはいませんか?
大型犬の2年は人間で言うと約10年です。肥満がいかに寿命を縮めてしまうかが分かりますよね。
さらに、肥満になると結石にも注意が必要です。
これは、脂肪が代謝されるとシュウ酸ができるため、シュウ酸カルシウムが
結石になりやすくなってしまうからなのです。
結果として、尿路結石や膀胱結石になってしまうことがあります。
また、結石の他にも糖尿病や内臓の病気にかかりやすくなります。
さらに、肥満は足腰への負担が大きくなり、関節炎を起こしてしまうことがあります。
関節炎になってしまうと、その後身体を動かすことが難しくなり、さらに運動量が減ってしまいまい、いずれ寝たきりになってしまうので、とても怖いですね。
犬が肥満にならないための注意点
肥満は、悪いことばかりなので、日々の生活の中で肥満にならないように気をつけることが大切です。
飼い主が原因で犬が肥満に!
犬の肥満には飼い主が原因となっていることがあります。
それは、おやつや食事の与えすぎです。
犬は、満腹中枢が人間とは違い与えられた美味しい物を次々に食べてしまいます。
犬はとても食いしん坊なので、特にお腹が空いていなくても目の前に美味しい食べ物があればすぐに食べてしましますよね。
飼い主や家族も、愛犬が美味しそうに食べる姿を見て、可愛いからとどんどん食べさせていませんか?
実はそれが肥満の原因になっているかもしれません。
愛犬の健康を思うのであれば、食事やおやつは適量を守って与えましょう。
犬の去勢避妊手術が原因?
それまで肥満ではなかったのに、去勢避妊手術をしたことで肥満になってしまうことがあります。
これはホルモンバランスが変化したことが原因と言えます。
代謝に見合ったフードや運動量を見直してみることで防ぐことができます。
もしも犬が肥満になったら
もし愛犬が肥満になったら、まず見直すのは食事です。
若い時に与えていた高カロリーなフードをそのまま与えていないか、与える量は適量かを見直してみましょう。
また、おやつは市販の高カロリーなものをやめ、茹でたキャベツやブロッコリーなどの野菜を与えるのもオススメです。
中には、病気が原因で肥満になってしまうこともあります。
食事や運動量、去勢避妊手術など思い当たることがないのに、肥満になった場合には一度専門医に相談してみると良いでしょう。
内分泌系の病気の場合、水分を身体に溜め込んでしまい皮膚や内臓が腫れていることで、本当は太った訳ではないけれど肥満と間違える場合があります。
素人では判断が難しいので必ず専門医に診て貰いましょう。
まとめ
犬の肥満は絶対に放置してはいけません。
肥満になるには何かしらの原因があり、その原因を把握してしっかりと対処をしなければ、その後の犬の健康や寿命に大きな影響を与えてしまいます。
大切な愛犬にはいつまでも健康でいてほしいですよね。
犬は言葉を話すことができないので、いつも一緒にいる飼い主さんが犬の変化にいち早く気付いてあげることが求められます。